■白濁チョコレート■vol,1



喉が、渇く。
唾はたくさんこみ上げてくるのに、何度それを飲み込んでも飢えは治まらない。  



――あの日。
俺は、中嶋さんのあそこを…咥えた。
恥ずかしくて、自分がそんなことをできるとは思えなかったのに、
俺は中嶋さんを喜ばせたい一心で自分からしてしまった。
ただ、無我夢中だった。
そして俺は…口にそれ…を咥えるだけで、頭が真っ白になるぐらい興奮することを知ってしまったんだ。
俺、男なのに。 男のそこを咥えるなんて、おかしいのに。
なのに…頭の中はそれでいっぱいで…忘れられない。
…何度も何度も口の中の感触がよみがえる。
口いっぱいに入り込み、口の中すべてを蹂躙して乱暴に行き来する感覚。
ぬるぬるしていて、ものすごく固いのに、俺の舌に吸い付くような皮膚の感触。
思い出しては、自分で舌で口の中を撫でてしまう。
むせかえる中嶋さんの体臭に、頭の芯が麻痺していく。

だけど…。
俺はベットの上でごろりとうつ伏せになる。
あの日から何日経ったんだろう。
夜になるとますます思い出されてきて喉が渇く日々が続いている。
この渇きは、もうひとつ理由があった。
それを思うたび、キリキリと胸が痛む。
これは、罪悪感だ。
……俺は、最近全然…中嶋さんがイくところを見ていないんだ。
つまり、俺は…自分だけ楽しんでしまっているわけで。
俺がいつも先にイってしまい、中嶋さんは…それで終わりなんだ。
でも、仕方がないじゃないか。
だって…中嶋さん、うますぎるんだよっ。
枕に顔を埋めた。 また俺、1人で顔を赤くしている。
他の人との経験がないから比べられないけど、ああいうことって…あんなに気が狂うほど気持いいものなんだろうか。
最後…までしなくても、気を失うほどになるんだろうか。

中嶋さんは『まだ与えてやらない』とも言った。
俺が…中嶋さんにイってほしいって思ってることを知っていて、わざとじらしているんだ。
それもくやしかった。
じらすことができるほど、中嶋さんには余裕があるっていうことなんだよ…。
俺1人、あんなにみっともないぐらい変になっているのに…。

中嶋さんが――イく。
その言葉が頭に浮かぶだけで、体に電流が走ったようになる。
…こわい。
だって、そのシーンを想像することもできないほど…言葉だけで俺、こんなに興奮してしまう。
きっと俺、おかしいんだ。
咥えたときから、更に俺の妄想は激しくなってる。
中嶋さんと初めて結ばれた時は、意識を失う直前のことであまり覚えていない。
体が爆発したような、強烈すぎる感覚だったことは記憶にある。
痛くて、熱くて――  
もし、俺の口とか手とかで、中嶋さんがイってくれたら。
どこでもいい、俺を使って…イってくれたら。
じわ、と下着が濡れて俺はぶるりと体を大きく奮わせた。
やっぱり――こわい。  





 次の朝、重い瞼をこすりながら急いで登校する。最近いつも遅刻寸前だ。
なかなか寝付けないっていうか…ベットには入っているんだけど…。  
教室に入るとすぐに午前の授業が始まり、2度の休み時間を終える。
 それから、みんなの様子がおかしいに気が付いたのは2度目の休み時間の時だった。
なんだか周りの雰囲気がいつもより違うような気がする。
俺の気のせいかと思ったんだけど。
浮ついたような、やけにみんな落ち着かないくてそわそわしているような…。
なんだろうと俺は首をかしげた。
それを和希に言うと、すぐに答えが返ってきた。
「今日はバレンタインデーだからだろ」
「あっ!!」
そうだった。
今日は2月14日、バレンタインデーなんだ。
すっかり忘れてしまってた。だってここは男子校だし。
共学だったら俺も気になって仕方なかっただろうけど…。
男子校なのにと言うと、和希が笑って言った。
「ここは外部でも有名なやつも多いからな、もうファンがついてるみたいだし。
今日の郵便物をみんな楽しみにしているんだよ。結構みんなもらってるみたいだな」
「そっか…」
そうだよな。
ここは有名なBL学園なんだ。外部の学校の女の子に知られていても不思議じゃない。
「去年の1番は成瀬さんだったよ」
数え切れないほどのチョコの山が届いたらしい。
びっくりしてしまったけど、成瀬さんならありえるよな…。
しょっちゅうテニス雑誌に取り上げられているぐらいだから。
「まあ、外部に関わりのない俺達は部外者だけどな」
和希は苦笑した。
俺なんて、ここに来る前から母親にもらうぐらいが関の山で、あまり縁のない行事だ。  

  なのに、和希から今日が何の日か教えられてから。
俺も違う意味で、周りと同じようにそわそわし始めていた。
違う意味というのは、自分の事じゃないからで。

”中嶋さんにも外部からチョコは届くのだろうか…”

すごく…気になる。
学生会の王様と中嶋さん。
学園では特に目立つ二人だけれど、学生会は外部との接触は殆どないと思う。
もし外部によく行くような人だったら、きっと山のようにもらうだろうけれど。
…きっと、何も届かない可能性の方が高い。
というか、そうであってほしい…なんてことを考えてる。
こっそり、中嶋さんが学生会の人でよかった…なんて感謝してしまったり。

それから、次に考えこんだのは。
こういう行事って、俺も何かしなくちゃいけないものなんだろうか、という事だった。
俺と中嶋さんって…一応、恋人同士とはいえないけど…そういう関係なんだし…。
もし、あげるとしたらやっぱり…。
お、俺なんだろうな…否応なく…。
だけど、俺達は男同士だし中嶋さんもこんな行事には興味がなさそうだし。
いろいろ考えてみてもやっぱり…俺には関係ない行事みたいだ。  

 
  みんなの騒ぎは、授業が終わって寮に戻るときには最高潮になっていた。
寮に帰れば各自のポストがある。みんなそれを早く見たいが為に足早に帰っていく。
部外者の俺はのんびりと、教室で1人鞄に荷物をつめていた。
教室を出ようとドアに手をかけると、それより先にドアがいきなり開かれてびっくりする。
真正面に、俊介が立っていた。
「おお、よかった啓太!!」
「俊介っ?!なんだよ、びっくりするじゃないかっ!」
「ちょっと頼まれてくれへんか?一生のお願いや!!」
俊介の息は走ってきたのか切れ切れで、急いでいるのか足をその場で踏み鳴らしている。
「啓太が口の堅い誠実な男やと俺は信用しとるからな、それを見越して頼みたいんやっ!」
「な、なんだよ」
俊介は大急ぎで斜めがけにした大きなバックから小さな箱を取り出した。
綺麗に梱包された、赤いリボンに巻かれた茶色の包み。大きさはCDぐらいだ。
「これを、副会長に渡してほしいんやっ」
「えっ?」
それは、どう見ても…チョコレートの箱なのではないだろうか。
「学生会室にも教室にもどこにもおらんのや、だけど今日の俺は大忙しでこれ以上時間をくってられんっ! まだ大量に配達が残ってんのや!啓太だったら中嶋さんと仲いいやろ、だからすまんけどこれを渡してほしいんや、じゃあ頼んだで!!」
まくしたてられてそのまま去られそうになり、俺は俊介の腕を必死で掴む。
「ちょっと待てよっ!なんで俊介がこれを配達してるんだよっ?
俊介は外部の人からの注文も受けてるのか?」
不思議そうな顔をして、俊介は俺の顔をしばらく見つめたあと…何故かにやりと笑った。
「俺は外部のは受け付けてへんで。学園内だけや」
「え?だってここは男子校じゃないか」
「だから、そういうことや」
俺の手を振り解いて去ろうとするので、俺は慌てて掴みなおす。
「だからなんだよっ!」
俊介はわざとらしくため息をつく。
「鈍感なやっちゃなあ〜、だから、副会長にお熱な生徒がおるっちゅうわけやろ」
ガンと、頭をたたかれたような衝撃。
手を離されて、俊介はまかせたで、と言って一瞬で去っていく。
俺はしばらくの間、呆然としたまま動けなかった。

俺の右手に、手のひらより少し大きめな…綺麗な紙で包まれた箱がある。
俯き、ゆっくり手を上げてそれを見つめてみた。
艶のある茶色の包みと、十字に赤いリボンが止められて、
そのリボンの間に小さな封筒がはさまれている。
――『副会長にお熱な生徒がいる』
何度もその言葉がよみがえる。
ここは男子校だ。そんなことがあるなんて、思いもしていなかった。
だけど…学園の中の誰かが…俺と同じ男が、俊介にこれを中嶋さんに渡すように頼んだ。

俺と同じ…。
そんなこと、一度も考えたことがなかった。
おかしいぐらい、笑えるぐらいに、一度も頭に浮かんだことがなかったんだ。

俺と同じ人が…もう1人、いる。







こんなことしたらダメだってわかっているのに。
しちゃいけないってわかっているのに。
…俺の足は俺の意思を無視した。

 今、俺は自分の部屋で、机の上に置かれた包みをベットに座って見つめている。
俺は、その包みを鞄にいれて隠し…中嶋さんを探すこともせず、
この部屋にまっすぐ帰ってきてしまったのだ。
…俺、これを渡さないつもりなのか。

そんなことをしたら俊介に怒られる。
俊介は俺を信用して頼んだのに、俺、何をしているんだろう。
渡しにいかなくちゃだめだ。
わかってる、わかってるんだそんなことは。
だけど、…どうして俺が。
どうして俺がそんなことしなくちゃいけないんだよ…。
俺の知らない人のこれを、何故俺が代わりに渡さなくちゃいけないんだ。

…渡したくない、こんなもの。
中嶋さんに渡さず、黙っていればいい、俊介には渡したと言っておけばいい。
――俺と同じ想いを抱いている。
中嶋さんに想いを寄せている。
俺は首を振った。
ダメだ。
そんなこと、絶対ダメだ…。
渡せない。
きっとこれを渡すことなんかできない。
醜い心が俺の表情を歪ませて、俺は膝をかかえて顔を隠した。
俺…どうしようもなく汚い人間になっている。  


  結局、渡しに行けないまま夕食の時間になり、俊介に会うんじゃないかと思うと
行きたくなかったけれど、和希に迎えに来られて渋々とついていった。
もし俊介に会ったら会えなかったって言うしかない。
騒がしい満席に近い食堂。
俺は食事を盛った盆をテーブルに置き、座った。
周囲を見渡す。
みんな楽しそうに食べたり話したりしている。
――この中に、中嶋さんのことを想っている人がいる。
この中の、誰かが。
きっと平気なふりをしながら、あのチョコが無事に渡されたのかという不安を抱えて。
中嶋さんが受け取ってくれたのかって怯えながら。
その気持が痛い程わかって、俺はいたたまれなくなって俯いた。
――俺、ひどいことをしてる。
「元気ないな、どうしたんだ?全然食べてないじゃないか」
正面に座った和希が尋ねてきた。
「う、ううん、そんなことないって」
「そうか? じゃあ元気を出してもらう為にいいものをやろう」
そう和希は言うと、椅子の後ろに隠してい紙袋を俺に差し出した。
袋を開けると、そこにはかわいい赤い模様の包装紙に包まれた、
多分…チョコレートだった。
「な、なんだよ…これ」
「俺からだよ」
言われてもしばらくそれが理解できず、しばらくしてからええっと叫んでしまった。
「な、なんで和希がっ!?」
何も言わず、俺を意味深に見つめてニヤリと笑う。
俺は慌てふためいて、周囲に見られないようそれを袋にしまいこんだ。
「な、なんだよ…っ、なんの冗談だよっ」
目を合わせられない…まさかと思いながらも顔が赤くなるのをどうしても止められない。
いつもなら冗談なくせに、って笑えたのかもしれないけれど、あんなことがあった直後だから、 俺…敏感になっていたのかもしれない。
しばらくそんな俺を見つめたあと、我慢できないっていった風に和希が吹き出して笑い出した。
「冗談だよ、ごめんごめん。それ、啓太のポストに入ったままになってからついでに持ってきたんだ。みんな取った後だからやけに目立ってたからさ。ポストからはみ出てて」
言われてからよく見ると、袋に荷札が貼り付けられている。
送り主は、…俺の母親。
俺は心底ホっとしてため息をついてしまった。
「なーんだ…変な冗談やめろよ…」
「俺からだったほうがよかったか?」
頬杖をついている和希に聞かれて、俺は思い切り首を振ってしまった。
「そこまで嫌がられるとなんかやなカンジ〜」
からかうように言われて、俺は謝ってしまう。
その時ふいにあることが頭に浮かんで、和希に聞いてみた。
「和希は、もし…もし、俺とか、他の男からもらったら…うれしいか?」
「…そうだなあ」
和希はしばらく考え込んだ後言った。
「やっぱりうれしいんじゃないかな。そりゃあ困るし、考えるだろうけど…。
でも、勇気を出してくれたってことだろ。その気持はわかってあげたいよな。
まあ、…啓太からだったら喜んで受け取るけど」
ちょっと間をおいて最後の台詞を囁かれて、ハハ…と俺は苦笑して聞き流した。
「すごいことだと思うよ、何しろ同性なんだからさ」
和希の一言一言が俺に突き刺さる。
勇気を出した誰かの行為を、第三者の俺が台無しにしようとしている。
俺のつまらない嫉妬心で。

その時、視界の中に誰かが写った。
俺の心臓が高鳴る。
中嶋…さんだ。
1人で食堂に入ってきて、同級生の友人に話かけられながら、その人と一緒に列に並び始めた。
どこにいてもそのバランスのとれた長身は目立つ。
俺はいつも、ここで出会えることを期待していた。
食べていても話をしていても、いつも目があの人を探している。
俺、どんな遠いところにいても、あの人を見つけることができると思う。
その時、思った。
きっとあのチョコを渡した人も、同じようにここで出会えることを期待して、心待ちにしてるんだ。
俺と同じように、どこにいても中嶋さんを見つけることができる。
今も、もしかしたら俺とまったく同じ思いをしているかもしれないんだ。
同じ気持で、中嶋さんを見ている。
重なる。
俺と、その人は、…同じなんだ。

このまま隠し通したら俺、きっと後悔する。
俺は、和希を置いて急いで食堂を出た。






 急いで母親の紙袋の中のチョコの包みを入れ替える。
紙袋に入れておけばみんなに見られても怪しまれないだろう。
階段かどこかで中嶋さんをつかまえて渡してしまえばいい。
俺は食堂に戻ってまだ中嶋さんがいるのを確認してから、中嶋さんが部屋に戻るためにいつも通る廊下の階段で待つことにした。
中嶋さんが食堂に入ったのは遅い時間だったので、階段あたりにはもうあまり人が通らない。  
俺は、待ちながらどうやってこれを渡せばいいか考えていた。
俺が預かったことだけを言えばいい。
無理矢理頼まれて、断れなかったって…。
それ以上何も言わないでおけばいいんだから。  

20分ほどすると、覚えのある聞き間違えようがない足音が聞こえてきた。
…中嶋さんだ。
階段に座りこんでいた俺は、緊張しながら急いで立ち上がる。
大きなリーチで歩く中嶋さんは、あっという間に角を曲がってきて俺と対峙した。
中嶋さんが俺を見つけて、少し目を見開いて俺を見つめる。
そんなところに立っている俺はどう考えてもおかしいから。
そして中嶋さんと目が合ったとたん、俺の頭の中は一瞬で真っ白になってしまった。
何から言い出せばいいのか何も出てこない。
「あ、あ…あのっ!」
いきなり俺は、紙袋を中嶋さんに突き出してしまった。
「こ、これ…頼まれてっ」
それしか言えず俯いたまま手を伸ばしていると、中嶋さんがそれを受け取り、すぐに紙袋の中を開けている音が聞こえてくる。
しかも…その場で、中嶋さんがリボンにはさまれていたカードも封を開いてそこに書かれた文を読んでいるようだった。
俺は、見ることができずずっと俯いていた。
「…誰に頼まれた?」
しばらくして、中嶋さんが俺に言ったその言葉には、冷たい響きが含まれていた。
「しゅ、俊介、に…」
「なんでも引き受けるんだなお前は」
俺が言い切らないうちに、中嶋さんはきつく言い放った。
その言葉に俺は凍りつく。
言い返すことも出来ない。
…口が震えて次の言葉も発せない。
「…ありがたく受け取っておくよ。じゃあな」
中嶋さんはそれだけ言って俺の横を通り過ぎていき、階段を上っていった。

…俺は、ショックの余りそのまま動けず、長い間そこに立ち尽くしていた。




中嶋さんを怒らせた。
なんとか部屋に戻っても、放心状態で床にへたりこんだまま動けない。
俺を責める中嶋さんの言葉が頭から離れない…。
なんでも引き受けたわけじゃない。あれは無理矢理だった。
だけどそんな言い訳なんか意味がない…結局引き受けてしまったんだから。
しかも…中嶋さんはそれを受け取った。
ありがたく、と言った。
そう言って、俺の目の前で、他の人のチョコを受け取ってしまったんだ。
中嶋さんと親しくしている俺は、どこかで優越感を感じていた。
特別扱いされているってみんなに言われて、悪い気なんかしてなくて、むしろ気持よくて。
しかも、俺は中嶋さんといろいろしたりして…。

――心のどこかで俺は、中嶋さんはあのチョコを受け取らないんじゃないかって思っていた。
なんてやつだ…俺。
嫉妬なんかじゃない、俺はチョコを渡した相手を心のどこかでバカにしていたんだ。
その人のことを思いやる心の余裕さえあった。
俺とその人の差なんて、一体どこにあったっていうんだろう。
何を根拠に、俺はいつのまにそんな余裕を感じていたんだろう。
俺と同じなんだって思ったはずだった。
なのにどこかで俺はその人より勝っていると思っていた。
どうしてそう思えるんだよ。
俺が胸を張って言えることなんてどこにもないじゃないか…。

そして俺は…自分と対峙する相手の手伝いをしてしまった。
中嶋さんがもし、誰でもいいって思ってしまったら…俺とその人どちらを選ぶんだろう。
決まってる。
今の俺なんて、絶対に選んでくれない。
こんな卑怯な俺のことなんて中嶋さんが選ぶわけない。
このままでいいのか? 俺、中嶋さんに嫌われたままでいいのか?
…そんなのいやだ。
このまま負けてしまいたくない。

中嶋さんの事だけは俺…絶対に譲れない。


今時間は夜の10時半。
もう門限はとっくに過ぎている。
だけど俺は私服に着替えて、コートを羽織った。
机に置かれた母からのチョコレートの包みを見つめる。
俺に今できることは。
俺も同じことをして、同じ位置に立つことだ。
あのチョコレートを渡した見えない相手と…同じ位置に。



俺は夜の街に飛び出した。






(vol,2)